セレクトショップ店舗計画
2006
CD: 松井龍哉
CCD: 中三川基、星野裕之
D: 松井龍哉、中三川基
TC: 林摩梨花
東京・六本木にオープンするセレクトショップの計画を依頼された。
六本木そのものが、「経済-文化-知性-地域性」を多様な価値観とレベルで立体的に膨張させている街である。消費が活発な都内の街を調査すると、六本木はブティックの数が圧倒的に少ない。そこで、私たちは複雑な付加価値のノイズからの脱出を空間の責務とし、「ノアの方舟」をコンセプトにした。
1階は闇の空間で、「床-壁-天井」を黒で統一することで、喧噪を断絶する仕掛けを構想し、商品にのみ光を当てた。2階は「天国」をイメージし、「床-壁-天井」を白で統一し、光と無音の無垢な環境を提案した。
セレクトショップは、発達した人間の“軽欲”と経済効率が端的な進化を遂げた世俗化社会の“薬局”だという私たちのアイデアとクライアントのニーズにズレがあったため、提案のみで終了した。