アルフレッド ダンヒル銀座本店
2007
CD: 松井龍哉
CCD: 松井龍哉、中三川基
D: 松井龍哉、中三川基、穂満加奈子
TC: 株式会社梅沢建築構造研究所、Team Iwakiri
P: 岡本成生
CL:リシュモンF&Aジャパン株式会社
ダンヒルはロンドン発の伝統あるファションブランドである。店舗展開にはグローバル戦略があり、インテリアのルールが決定されている。東京で最もステータスの高い顧客が通う銀座の中央通りに店舗を構えることになり、ダンヒルスタイルとこの街のポテンシャルを融合させるロジックが必要とされた。
店舗は既存の8階建てのビルの、地上3層部分を改装する計画であった。特徴的なことは、服を売るだけでなく、理髪店とバー、メンバーサロンを同居させ、紳士の世界を店舗全体で体現できることである。
また、店舗が面している通りの商業施設は、それぞれが独自の寸法で設計されているにもかかわらず、道路の幅もあって建築群の都市的な連続性が不思議と存在している。それを大変意識させられた。
私たちはこの店舗の立面が黄金比を成していることに気がつき、ファサードを黄金比を用いて構成した。さまざまな案を検討したが、最終的に1辺2.45mの正方形のガラス窓を中央に6つ配列し、都市に埋め込まれたキャビネットをイメージしてデザインした。キャビネットはダンヒルの店舗コンセプトでもある。
外壁には白色に発光する3種類のデザイン、サイズのサインを配置した。車で走っていても見えるサイズ、歩いていると見えて来るサイズ、店舗に入る時に見えるサイズである。そしてバーと床屋の空間はモダンスタイルを貫き、伝統的なダンヒルスタイルに東京のモダンなキャビネットが貫通していることを表現している。2007年12月オープン。