SUITE 9坪ハウスの設計
2007
CD: 松井龍哉
CCD: 松井龍哉
D: 中三川基、穂満加奈子
CL: 株式会社コムデザイン
将来、家庭内のあらゆる機器がTVをインターフェイスとして繋がるという発想は、2016年現在では意外性のないアイデアであるが、フラワー・ロボティクスは10年前にそのような家を想像していた。そのとき、私たちの住まいはホテルのSuite Roomのように、寝室やリビングが繋がり揃っている部屋となっているのではないか。
9坪ハウスと聞くと、「小さな家」という印象を持つ人が多いだろうが、必ずしも窮屈、不充分とは言えないのではないか。ひとりひとりの生活スタイルの確立と成熟で、世界は違った見え方ができるはずである。
まず9坪ハウスを個人が暮らす家と捉えれば、決して小さい家ではなく、むしろかなり快適な生活ができる空間を確保できると考えた。
SUITEとは「繋がり」「連続性」を意味する。もともとホテルのSuite Roomは、寝室やリビングが繋がり揃っている部屋という意味である。現代の生活は、「個」と「社会」/「物質」と「情報」が連続的に繋がりを持った関係を維持し、継続していると考えている。
私たちは9坪ハウスで暮らす人の生活を、まず「個人」の単位で考え、「安らぎの確保」と「情報受発信」のクオリティを優先したデザインの提案をした。
「穏やかな個人の創造性」が世界をよりよくすると考えるからである。