STARFLYER 新規航空会社のトータルデザイン

2005 - 2006


CD: 松井龍哉
CCD: 松井龍哉、中三川基
D: 中三川基、穂満加奈子
CL: スターフライヤー株式会社
スターフライヤーは、ライト兄弟のフライヤー号初飛行からちょうど100年目の2002年12月17日に創業した航空会社である。日本の重要な工業都市である北九州を本拠地とする、新たなビジネスモデルのエアラインだ。
スターフライヤーは就航の1年6ヶ月前にデザイナーを探していた。そこで、北九州市役所のデザイン塾を開講している東京藝術大学准教授(当時)の桂英史氏に相談があり、私たちに依頼が来た。
まず具体的なデザインをするに当たって、世界のエアラインを可能な限り調査した。次に「マザーコメット(母なる彗星)」というイメージコンセプトを創った。関係者全員が共通で持つイメージコンセプトである。さらに企業理念である「どこにもないエアライン」を目指すべく、色(視覚情報)による企業ブランディング構築方法に集中することが、即効かつ効果的に存在感を表すと判断した。
経営陣の考えたさまざまな新しいサービスやルールに、世界でも類を見ない(このことが重要だった)「黒+白」によるモダンな視覚伝達デザインを施し、徹底したデザインレギュレーションを作り具現化した。都市を象徴するロゴデザインがエアラインデザインの特徴であるが、私たちは色に徹し、「黒」こそがブランドであることを狙った。結果として最初に想い描いたエアライン像は、ほぼぶれることはなかった。
就航の日、黒い飛行機の誇らしい勇姿に全従業員の心がひとつになった。このような巡り会いと経験にデザイナーとして携われたことはありがたい体験であった。
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